2012年9月20日木曜日

非弾性衝突と運動量保存

非弾性衝突で運動量保存が成立する条件は、衝突の前後で

m1,m2 :質量     u1,u2 : 衝突前の速度   v1,v2 :衝突後の速度   
DB : 衝突により失われるエネルギー

式1   (1/2)*m1*u1^2+(1/2)*m2*u2^2  =  {(1/2)*m1*v1^2+(1/2)*m2*v2^2} +  DB

となります。

また相対性により    B :観測者の相対速度

式2   (1/2)*m1*(B+u1)^2+(1/2)*m2*(B+u2)^2 = {(1/2)*m1*(B+v1)^2+(1/2)*m2*(B+v2)^2} +  DB

でもエネルギー保存関係が成立します。

このとき 衝突により失われるエネルギー DB が相対速度に影響されない性質のものであるとすると(例えば熱とかになる)

式1 - 式2より

式3  m1*u1+m2*u2  =   m1*v1+m2*v2

と運動量保存関係が出せます。 http://akimpotos.blogspot.jp/2012/01/blog-post_19.html

速度をベクトルとしても、エネルギーは内積演算に従うことから同様に扱えます。

この運動量保存関係と 反撥係数   e  に

式4    e = -(v1-v2) / (u1-u2)

を用いると 式3 と4 より

式5  v1 = ((e+1)*m2*u2+(m1-e*m2)*u1)  /  (m2+m1)

式6 v2 =  ((m2-e*m1)*u2+(e+1)*m1*u1) / (m2+m1)

式7   DB = - ((e^2-1)*m1*m2*(u2-u1)^2) / (2*(m2+m1))       

となり、これは  u1,u2 の衝突前の速度のみに依存するものとなります。