2012年2月4日土曜日

(物理)運動量保存はエネルギー保存則? その14

エネルギー保存法則の本当の意味というか真髄がやっと理解できた。
前回エネルギーの計算で宇宙船が加速したとしようが外の観測者が加速したとしようが区別がつかないという事に気がついたが、つまりエネルギー保存の法則の真髄(のうちの一つ?)はこういう事なのではないでしょうか?

「エネルギー保存の法則は観測者が静止して観ていようが、つまり宇宙船の中で静止して観ているいる観測者でも、 また相対速度が定速度で観ている観測者であろうが、つまり宇宙船の外で静止して観ている観測者であろうが、
はたまた、上の場合で観測者が加速度運動して観ていようが、とにかくすべての場合で保存する。…という法則である」

もちろんそれぞれの観測者が観測するエネルギーは当然違います。特に加速度運動している観測者は刻一刻と観測するエネルギーが増減しているはずです。しかし共通しているのは全ての観測者でまた全ての時点でエネルギーは保存するという事です。

つまり、これは  「エネルギー保存の相対性原理」とでもいうようなものではないでしょうか?
そうであれば今までの運動量導出のメカニズムが全て納得できます。

まず、差分で導出できる場合ですが
http://akimpotos.blogspot.com/2012/01/blog-post_19.html
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B 地球の速度、 v1,v2 球の衝突前の速度、 u1,U2 球の衝突後の速度、 m1,m2 球の質量
式1 地上で m1v1^2 + m2v^2 = m1u1^2 + m2u2^2
式2 宇宙から m1(B + v1)^2 + m2(B + v2)^2 = m1(B + u1)^2 + m2(B + u2)^2
式3 = 式2 - 式1 m1(B^2 + 2Bv1) + m2(B^2 + 2Bv2) = m1(B^2 + 2Bu1) + m2(B^2 + 2Bu2)
で、式3を整理すると運動量は m1v1 + m2v2 = m1u1 + m2u2
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これは観測者が静止して観ている場合です。

一方微分で導出した場合、これは観測者が加速度運動している場合です。
相対速度Bで微分するという事の意味はBの微小変化、つまり加速度運動でのエネルギーの変化を示しています。
エネルギー保存はこの微小変化でも成立しなければならないという事です。
そしてエネルギー保存が成立するためには差分や微分の結果である運動量も保存しなければならないという事が導き出せます。

(物理)運動量保存はエネルギー保存則? その10、   http://akimpotos.blogspot.com/2012/01/10.html
(物理)運動量保存はエネルギー保存則? その11、  http://akimpotos.blogspot.com/2012/01/11.html

あと、どうしてエネルギー保存の等式からベクトルである運動量がでてくるのかという問題は
(物理)運動量保存はエネルギー保存則? その2 、 http://akimpotos.blogspot.com/2012/01/2.html
にあるように一次元の座標系ではベクトルは代数や微分で扱えるという事でいけそうです。
なので差分でだしたエネルギー差の

B(m1v1 + m2v2 ) =  B(m1u1 + m2u2) の項は本来三次元座標系ではベクトル演算のはずです。
それは内積でないといけないはずです。とりあえず二次元で想像するとわかりやすいですが、ベクトルBが一次元の軸上にあるv1等のベクトルに作用するのはそのcos成分だからです。参考 http://en.wikipedia.org/wiki/Elastic_collision  の Two- and three-dimensional


で、運動量保存は法則か定理とか? という問題ですが、差分でだした場合も微分でだした場合も結局観ているのはエネルギー差です。これがエネルギー保存の法則に従っているということです。  どうやら法則の手のひらからは飛び出してはいないようです。

なので、今は私個人の感想ですが、どうやら運動量保存も法則のようだ…という事に落ち着きそうな気がしてます。
それにしても、はじめはちょっと面白いなという程度で、早々に切り上げるつもりだったのですが相談した2chの方々の指摘が気になり調べて行くうちにここまできてしまいました。2chで相談に乗ってくれた方々ありがとう。並進対称性とベクトルであるとの指摘はエネルギー保存の法則の真髄の一つに気づかせてくれたものでした。それにしてもエネルギー保存の法則に相対性原理があったとは気がつきませんでした。  世に運動量保存は法則であると言われているのもそれがあるからでしょうか?
あとはせっかくここまできたのだからMAXIMAの勉強がてら特殊相対性理論での弾性衝突を仕上げて見るつもりです。
ところで、MAXIMAで何乗までの式が解けるのか試してみました。三乗が限度のようです。連立させるのは運動量でないと解けませんでした。 解はやはり三つでてます。
弾性衝突では衝突した場合としなかった場合の二つ解が無いといけないのでやはりエネルギーは二乗で無いといけないようです。

/* [wxMaxima: input   start ] */
solve([m1*v1+m2*v2=m1*u1+m2*u2,
m1*(v1)^3+m2*(v2)^3=m1*(u1)^3+m2*(u2)^3],[u1,u2]);
/* [wxMaxima: input   end   ] */


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